2012年1月13日金曜日

JAZZYな生活


 
さあ、今年も我が「山遊び」における最大のイベント、「炭焼き」が始まりました。1月から2月にかけ、計3回の炭を焼くのであるが、今回は、その第一回目の「炭焼き」である。ほぼ2週間の工程のうち、土曜日から水曜日までの前半五日間が終わったのである。もともと、我々がいつも遊ばせてもらっている公園は、麓にダム湖ができるまでは、地域の里山であった。かっての村人たちが、「菊炭(池田炭、一庫炭)」を作るために、クヌギを植え、山中のあちこちに窯をこしらえ、炭を焼いていたのである。その里山が、ダムによる村人の移住のため放棄されたので、跡地を利用して公園を開設するときに、炭焼き窯をしつらえ、この里山のクヌギを使って炭を焼き、炭焼きの技術の伝承と、里山におけるクヌギ林の再生・復活を、我� ��クラブが里山ボランティアの一環として、一般の方の参加も募って実施しているのである。


 
一日目、朝9時集合。まず、先日山から降ろした炭の材料となる「窯木」と、窯内の燃焼を手助けする「バイタ(木の枝や木切れ、たきぎの意味)」と呼ばれる柴を炭窯の前まで運ぶ。そして窯の中に「窯木」をぎっしりと立てて並べ、その上に「バイタ」を詰めていく。これが「窯木入れ」と呼ばれる工程。直径2mちょっと、高さ約1.6mほど狭い窯の中でこの作業を行う。今年は私を含め二人で「窯木入れ」を行った。そして、窯口に火を焚くスペースをのこして、トタンの波板で窯を仕切る。そしてそのあと、冷え切っている窯を暖めるための予備燃焼を1時間ほど行って、第一日目の「窯木入れ」は終了である。


 
二日目は本番の「窯焚き」。ことしの炭焼きの安全と良質の炭ができるようにと願いを込めて、まず神事を行い、古式に則り、火打石により火をおこし、その火を窯口に点火することによって「窯焚き」がスタートする。その後は火力を弱めないように、ただひたすら8~10時間ほど火を焚きつづけるのである。この過程の良し悪しが炭の品質に大きな影響を与える。「炭=木-煙」といわれるように、煙の出かたや色などで、炭になっていく過程、窯の中の状態を想定しながら、火を止めて窯を密閉するタイミングを計る。窯内の温度が600度ほどに上がり、「窯木」から出るガスが自然に燃え始めると、空気調節口を少し開いた状態で、窯口に煉瓦を積み窯を密閉する。この作業を終えて家路につく頃には、もうあたりはすっかり寒� �して暗くなり、この日は満月に近い月が、東の山の端から静かに上がってきた。


 
三日目は、空気調節口をすこしあけてあるので、窯木から出るガスが燃えて、窯の中の温度はさらに上がる。この工程では、特に我々のする作業はあまりないが、次の日、四日目に行う炭焼きで最も重要な作業である「くどさし」とよばれる完全密閉のタイミングを見据えて、煙の状態や窯内の温度をチェックして、空気調節口を慎重に調整する。次の日の朝、再度のチェックをし、「くどさし」のタイミングを決定することとし、この日はこれで作業は終わり。煙が、長い煙突を登っていく際に冷やされると、良質の「木酢液」が大量にできる。帰りがけ、液を貯めるドラム缶に耳をつけてみると、「さらさら」という木酢液が缶に流れ込む音が、かすかに聴こえる。この音がちょっと神秘的で好きである。


 
そして、四日目、最も重要な「くどさし」の日を迎える。完全に密閉するため、窯内への酸素の供給がストップし、以後は燃焼が止まって、炭は蒸し焼きになる。「くどさし」のタイミングが早すぎると、生焼けとなり、遅すぎると灰になってしまうのである。朝9時に集合、デジタル温度計を使って窯内の温度を計るが、最終的な判断は、何ともアナログ的というか、経験則によっているというか、排煙口にかざしたマッチへの着火時間で判断している。ところが、第一回目なので窯が冷えているためか、はたまた去年も猛暑で窯木がたっぷりと水をためているためか、煙が出続け、また着火時間も「くどさし」の判断ができる時間にならない。結局、明日の朝に「くどさし」を延期しようと、排煙口を狭めて解散。窯焚きから四日、窯� ��れからすると五日目になる。こんなに時間がかかることは初めてであるが、良質の炭を得るためには、仕方のない判断である。

さて、炭焼きを始めてから五日目。午前10時、マッチへの着火時間も申し分なし。「くどさし」のタイミングと判断をして、空気調整口と排煙口を閉じ、窯口を土で厚く覆って完全に密閉する。さあ、これで、窯が充分に冷め、来来週の土曜日の「窯だし」までは、炭の出来栄えは運を天にまかせるしかないということになる。

これで「窯だし」という「3K」の見本みたいな作業だけを残し、「炭を焼く」という作業は完了したのである。この五日間の炭焼き作業によって、体と衣類はすっかり煙にまみれ、あの独特の匂いが染み付いてしまう。この体で家に帰るものだから、家中に匂いが満ちてしまう。私はいい匂いだと思うのだが、中には家人から苦情を言われるクラブ員もいるとか ・・・。幸いにして、私のところは妻もいい匂いと言ってくれるので ・・・。

さて、「煙」といえば、数多くのロックの中でも、「最も有名で印象的なイントロを持つ」といわれる曲が、「ディープ・パープル/Deep Purple」の「スモーク・オン・ザ・ウォーター/Smoke On The Water」。1972年に発表したアルバム、「マシン・ヘッド/Machine Head」に収録されている。スイスはモントルーで、第2期メンバーによって録音された1972年発表の3作目で、絶頂期の「イアン・ギラン/Ian Gillan」と「リッチー・ブラックモア/Ritchie Blackmore」のコラボが楽しめる歴史的名盤といわれている。

マシン・ヘッド

ディープ・パープル / ワーナーミュージック・ジャパン

メンバーも入れ替わり、すっかり年を取ってしまったがまだまだ健在。2006年のモントルー・フェスティバルの最終日に行われたライブから。 「Deep Purple – Smoke On The Water (From "Live At Montreux 2006″ DVD)」

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